SERVICE 04再生可能エネルギー事業
植物という資源を、人類のための再生可能な新しいエネルギーとして生まれ変わらせる。
背景
弊社は、2000年の設立以降、バイオ燃料の原材料植物、優良品種、栽培技術、使用用途の研究開発を続けてきました。そしてその成果を事業化するため2012年に東アフリカのモザンビーク国に現地法人(ADM)を設立しました。ADMでは、無電化地域において6,000名の農民組合を組織し、バイオ燃料の原料作物であるJatropha curcas L.(和名・ナンヨウアブラギリ、以下ヤトロファ)の栽培・搾油精製・燃料販売や、米・キャッサバなど農作物の買取り・加工・販売を実施し、これらの販売・買取り拠点も兼ねて小売店舗も運営してきました。
事業内容
石油ピーク後の社会作りをテーマとして、途上国の貧困ペナルティ(poverty penalty)の解消を事業機会と捉え、産業育成の基盤となるエネルギー・食料・金融分野において地産地消型社会資本整備を事業として実現することを目的としています。例えば、我々がモザンビークで活動を始めた頃、州都の燃料価格は120円/Lでした。一方で、弊社の活動地域では150円/L、さらに奥地に行くと180円/Lと僻地ほどエネルギー価格は高くなっていました。僻地ほどより高いコストを払わざるを得ない状況は貧困ペナルティの一つの例ですが、これらを、外部から持ち込むエネルギーではなく、地産地消型のエネルギーとすることで、僻地でも都市部と同等のエネルギー価格を実現し、地域の豊かさの向上に資することを目指しています。弊社がヤトロファを選んだのは、過酷な気候に強く、砂漠等での緑化効果も発揮するためです。また、良質な油が採取できる上、食用にならないため安価に安定供給が可能です。弊社の再生エネルギー事業は、貧困ペナルティの解消や地域の発展だけでなく、地球温暖化、資源の枯渇、砂漠化、食料問題など、いくつもの問題が複雑に絡み合った地球環境保全分野の事業活動にも繋がります。
実績と今後の取組
モザンビークでは、6,000名の栽培組合員に苗木を配布し、畑や家の垣根として植樹してもらっています。そして収穫物を買取り、種子を搾油し、精製して軽油の代替燃料を製造しています。製造した代替燃料油をトウモロコシの製粉業者に販売することで、内陸に輸送していた石油にかかる費用を削減しました。
また、ヤトロファ油を低コストで安定供給するため、絞りカスの肥料化など副産物の有効利用を促進する各種新技術の開発も行っています。日本の地方自治体との協働でも、ヤトロファ由来の燃料を用いて故障なく安全にバスを走行させるプロジェクトを成功させた実績があります。
私たちにとって、持続可能性(サステナビリティ)とは、目の前の問題のみを解決する一過性の戦略ではなく、次世紀や、次々世紀のライフスタイルや価値観が求める戦略をとりつづける企業姿勢であると考えます。その上で、環境やライフスタイルに関する価値観の変化や、経済社会上の構造変化なども考慮し、未来世紀まで見据えた地球環境保全と、企業としての持続発展を行ってまいります。